泥沼スクリーン これまで観てきた映画のこと mobiダウンロード

泥沼スクリーン これまで観てきた映画のこと

strong>本, 春日 太一

泥沼スクリーン これまで観てきた映画のこと mobiダウンロード
によって 春日 太一
4.5 5つ星のうち7 人の読者
ファイルサイズ : 26.74 MB
内容紹介 映画史・時代劇研究家の春日太一さんが、偏愛する邦画を思い入れたっぷりに紹介する週刊文春の連載コラム「木曜邦画劇場」待望の単行本化です。過去6年、300回を超す連載から「これこそ春日太一を作った映画である」というコラム93本を自選しました。時代劇から、SF、ホラー、怪獣、角川、ヤクザ、ニューポルノ、ミステリー、そしてアニメまで自在にジャンルを横断し、大作、名作はもちろん、他の映画本では紹介されないであろうB級の怪作、奇作も収録しています。加えて、単行本特別企画として、愛する「洋画」についてのコラムを書きおろしました。時代劇研究家である春日さんが愛する洋画とは――? さらに、特別企画第二弾としてライムスター宇多丸さんと「わが青春時代の映画」をテーマに濃厚な対談を敢行。お二人が映画に耽溺していた80年代~90年代の映画を語りつつ、春日青年の迷走する青春時代を振り返ります。映画との出会い、デートで初めてみる映画は何が正解か、自戒を込めて説く、若者が評論家気どりで映画を語るイタさ、など身に覚えのある読者も多いはず。春日さんは「はじめに」でこう綴ります。『本書は「映画という泥沼」にハマりこんだ一人の男の姿を映し出したドキュメントでもある。映画でしか救われない魂があった。そんな想いが、少しでも届いてくれたら――と思う。』。単なる映画コラム集ではなく、青春の苦さ、イタさ、そして素晴らしさを「映画」というフィルターを通して縦横無尽に語る1冊です。 内容(「BOOK」データベースより) 週刊文春好評連載中「木曜邦画劇場」ベストセレクション93本+書下ろし洋画コラム5本。特別企画、ライムスター宇多丸との25000字対談。 商品の説明をすべて表示する
泥沼スクリーン これまで観てきた映画のことを読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
本書は時代劇研究の第一人者として知られる時代劇研究家・春日太一が週刊文春に好評連載中の「春日太一の木曜邦画劇場」を書籍化したモノである。『週刊ポスト』連載中の「役者は言葉でできている」と並ぶ春日氏の人気連載シリーズだが「役者」がゲストの俳優たちのインタビュー集であるのに対し、本作は春日氏が毎週日本映画作品を紹介するコーナーだ。日本映画といっても誰もが知る作品ではなく、古典的名作から世間では知られていないカルトな作品が多く、その理由は本書の主旨が「日本映画の偏愛を語る」ところにあるからだ。筆者自身も当初はすぐに終わると思っていたが気がつけば連載6年を迎え通算300回を迎え、これをひとつの節目として本書の出版に至ったワケである。残念ながら頁の都合上、全作を掲載することができず、300の評論から93作品を抜粋したモノである。記念すべき第1回が岡本喜八監督の戦争映画『血と砂』だが本作を読むと見てみたくなる魅力がある。『吸血鬼ゴケミドロ』は著者にとって何回も描き直し、苦心惨憺の思い出深い回だそうだ。ここでは筆者の本作を初めて見た時の思い出や衝撃が伝わり、そこには当時の筆者の屈折した内面も紹介されているのでそれによって本作の魅力が十分に伝わった回だと思います。『吉原炎上』は筆者お気に入りの五社英雄作品だが、本書にも述べているように土曜夜9時の『ゴールデン洋画劇場』で本作や『陽暉楼』『鬼龍院花子の生涯』は繰り返しよく放送されていた。女優同士の感情むき出しのキャットファイトが子ども心に何ともなまめかしかった。『鬼龍院花子の生涯』は仲代達矢演じる侠客の政五郎がロッキーばりに生卵をひたすら呑むシーンがあるが絶対消化に悪いし、お腹を下しただろなと思った。『八甲田山』は筆者の大のお気に入りだがどのリーダーにつくかで生死の分かれ目が決まる下士官にとっては運命を翻弄される理不尽な世界だ。雪中行軍で極寒に耐えきれなくなった兵士が発狂して服を脱いで裸になって雪山を転げまわるシーンは強烈だった。『刑事物語』は主題歌「唇をかみしめて」と武田鉄矢演じる片山刑事のキャラクター、ハンガーヌンチャックという武器の発想は面白かったがストーリー自体は1作目を除くと凡庸でそれほど面白い印象は受けなかった(ところどころにムリのある展開が入っていけなかった)。『白昼の死角』『魔界転生』はどちらも好きで共通しているのは出ている役者の顏がイイ。前者は主人公の夏八木勲を始め、中尾彬、竜崎勝、岸田森、天知茂、後者は沢田研二、緒形拳、若山富三郎、千葉真一といった錚々たる面々が顔を並べ、夏八木VS天知、若山VS千葉といった対戦カードを見るだけでも値打ちがあり、今の役者には出せない顔力がある。『愛情物語』評ではヒロインの原田知世と常にツーショットとなって旅をする渡瀬恒彦の存在を監督の角川春樹が渡瀬を通して「こうありたい自分」の姿を投影していると表現しているが、確かに本作は知世に惚れ込んだ春樹のラブレター映画ではあるのだが同時に知世に対し、春樹の亡き妹への想いを投影している作品でもあるのだ。『蘇える金狼』評では主人公の松田優作よりも優作(朝倉)の勤める大企業・東和油脂の重役の面々をフィーチャーするところが面白い。直属の上司である次長に小池朝雄、部長に成田三樹夫、専務が草薙幸二郎で社長が佐藤慶という濃いメンバーで重役会議するだけでも絵になって面白く、終盤に優作に詰め寄られた成田が狼狽え「金子(小池)がねえ」の一言に劇場が大爆笑だったのは新鮮な体験だった。小池一夫原作『子連れ狼 地獄へ行くぞ!大五郎』『御用牙』では元の原作が劇画ならではの発想で前者では雪山での対決で敵軍がスキーで襲いかかるのに対し、主人公の一刀はトレードマークの乳母車をソリ代わりにして雪面を滑って戦い、後者は勝新太郎演じる町方同心・板見半蔵が剣術とは別に自身の最大の武器である男根を鍛えるシーンは強烈で(BGMとしてかかる「御用牙愛のテーマ」が何とも言えないミスマッチ感があって印象に残る)どちらもトンデモ映画だった。『兵隊やくざ』は実はBL映画という指摘や(『戦国自衛隊』もそうだ)、『この子の七つのお祝いに』の岩下志麻のセーラー服姿、『八つ墓村』の般若のような山崎努(多治見要蔵)、ラストで多治見家の屋敷が燃え、それを山の上から復讐を遂げた事に満足そうに笑う落ち武者たちの顔、など子どもの頃に見た作品ほどところどころに記憶に残る場面が多い。ライムスター宇多丸さんと筆者との対談では幼少期の映画体験というのが異なっていて、8歳の年の差というのは大きな影響を与えていると思う。宇多丸さんの小学生時代だと1970年代後半だから春日氏の小学生時代(1980年代後半)だ比べてとテレビ放送で見た作品でも大分違っているだろう。私もどちらかといえば春日氏よりなので先の五社作品もそうだがまだテレビのゴールデンでエロが見れた時代だった(伊丹十三監督『タンポポ』で役所広司が女性とホテルで食材を使ったHなシーンは子ども心にドキドキした)。あと両氏とも東京出身ということもあり、東京で育った映画環境が両氏の映画の情操教育に大きな影響を与えていることがわかる。東京は名画座が多く、いろんな場所で昔の名作を鑑賞できる機会があるので地方の人にとってはうらやましい環境だ。『トゥルー・ロマンス』について触れているが自分の好きな映画を観ている劇場でパトリシア・アークエットのような女性に出会い、恋に落ちる事はまさに映画オタク少年の夢を叶えたシチュエーションなのだ。

0コメント

  • 1000 / 1000